大学院で適応障害になりました。適応障害になった5つの原因と7つの学びをご紹介します。
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私は、2018年4月に都内の国立理系大学院に入学しました。それから2ヶ月経過した頃に学校常駐の精神科医から「適応障害」という診断を受けました。それから大学院を半年間休学(2018年10月~2019年3月)し、2019年4月に復学しました。
適応障害になってから、初めて自分自身と真剣に向き合うようになり、苦しくも充実した1年間(現在2019年6月)でした。今回は適応障害という病気にかかった原因と、病気から学んだことを、シェアさせていただきます。恐縮ですが、同じように大学院の研究生活に苦しんでいる方、もしくは社会に出て適応障害になられた方などの手助けが出来れば幸いです。
簡単な自己紹介記事です。
適応障害になった5つの原因
自分に自信がなかった
私は高校時代からずーっと何に対しても自信が付かず、しかしそれでは社会で生きていけないと思い肩肘を張って生きてきました(中学までは成績が良く、自信に満ち溢れていました。)。そんな生き方がコンプレックスで、色々な挑戦を自信が無いことを理由に諦めていました。本来自信というものは、挑戦して経験から学び初めて自信がつくものですが、当時の私は自信がついてから挑戦しようとしていました(お恥ずかしい話になりますが、当時の私は、生きていれば自信なんてついてくるだろうと考えていました)。その大事な点を見逃していたのです。思考回路が真逆でした。まさに愚の骨頂です。
自信がつかない原因の1つとして、自分を褒める能力が圧倒的に欠けていたことが挙げられると思います。小さな成功体験だけでは満足することが出来ず、極端なことを言うとノーベル賞や数学オリンピック等で受賞しないと自分の人生に意味がない、自信なんて持てないとまで考えていたほどです。
自分がそうなりたいという姿と、現状の姿の乖離が激しくて、どれだけ努力しても自信の持てない日々でした。今でこそ、自信について客観視してブログ記事に出来ていますが、当時の私は精一杯目の前の勉強などに全力投球しているつもりでしたが、何も積み上がっていかない感覚を持ちながら高校生、大学生を過ごしていたように思います。
周りが優秀に見えた
私は、マーチ以上早慶以下の都内の私大から都内国立大学院に進学しました。ある程度は、大学院という厳しい環境、国立大学の学生の優秀さは予想しておりましたが、いざ入学してみると彼らの意識の高さや優秀さ、もくもくと努力ししっかりとした自分の考えを持っている姿に、脱帽しました。いかに自分が低レベルであったかということ身をもって知ることになるのです。そこで私は、ここ(国立大学院)で生きていくためには、自分のペースを守るよりも、彼らのような生き方・考え方をしなくてはならないのだと、これまた思考を停止させたような極端過ぎる思考になり、彼らを崇拝し無理に自分を変えようとしていました。
修士一年生の忙しさに耐えられなかった
どの理系大学院でも同様な傾向にあると思いますが、修士一年生はやるべきことが沢山あり、大変忙しいです。研究室のルールやしきたりに慣れることから始まり、研究テーマを決め、研究活動が本格的にスタートし、同時に週一の研究室の輪講を受け、進捗報告を研究室メンバーの前で行い、単位を取るために授業に出席するなど様々なタスクが存在します。私の場合は、「全てのタスクを全力投球でこなしてやる」という姿勢で臨み、全力投球出来ない現実に耐えられませんでした。自分の完璧主義の性格のせいで現実と理想のギャップを受け止めることが出来ませんでした。完璧主義という性格は精神疾患に陥る原因としては非常に有名であることを病気になってから知りました。
研究活動における「過程」を楽しむことが出来なかった
そんなこんなで研究生活に慣れてきたと思われた矢先にふと感じたことがあります。それは、研究そのものを楽しんでやれていないということでした。まだ研究が始まったばかりということもあったのですが、中々先が見えない不安と今の現状に満足できていない感覚を覚え、研究に集中することが出来ず、いつの間にか研究を義務的な作業と捉えるようになっていました。今思うと時期尚早な思考でだったと思いますが、この頃から自分は研究に適性が無いのではと思うようになりました。
他人の目を気にしすぎる性格だった
大学院に入学した理由は他のブログ記事でも書きましたが、将来は自動車メーカーで自動車開発に従事したいという欲望を満たすためでした。日本の(特にトップの)自動車メーカーは、エンジニアとして、機械、電気、情報などの学問に大学院まで向き合い、専門的知識を有した学生を取ろうと傾向があります。私の場合、大学では物理学を専攻していたのですが、物理は応用は利くものの自動車メーカーが研究開発職としては採用しづらいと言われていました。この学科にいても自分の夢を叶えられないと思った矢先に出した結論は、大学院の機械工学科への転部でした。それからの行動は非常に積極的で素早いもので、大学院入試に向けて、やったことのない4力学(機械力学、材料力学、流体力学、熱力学)と苦手だった(大学)数学、そしてこれまた苦手だったToeic受験に全力を注ぎ、何とか大学院に合格までこぎ着けました。
満を持して大学院に入学したものの現実は甘くありませんでした。やはり4年間工学部で意識の高い仲間と学問に向き合ってきた内部進学者(かなり誇張した表現になっていますが、少なくとも私と同じ研究室のメンバーはこの表現どおりの方々です)と、他校でかつ他分野から入学してきた自分には、知識、経験、意識の差、努力値、自信などに雲泥の差がありました。当時のこの衝撃は凄まじいものでして、自分は全てにおいて内部進学者よりも劣っていると考えるようになりました。大学院に入学して初めて、自分は他人と比較して自分のことを評価する性格なんだと知りました。
しかし言い訳となってしまいますが、他人と比較してしまう性格は、至極当然のような気もするのです。小学生、中学生、高校生では多くの友人が互いにテストの点数や受験の合否で競い合い、そのような客観的評価が自分のアイデンティティを確立していました。大学では競い合うことは少なくなったものの、大学過程を経るのに精一杯だった私は、小中高校生で培った考え方のまま、そして、本当の挫折を知らないで大学時期を過ごしてしまうのでした。
以上が、自己分析の結果として私が大学院で適応障害になった原因となります。診断後、適応障害や抑うつ気分の原因をWebで調べていましたら、自分が病気になりやすい思考パターンをすべて持ち合わせていることを知り、愕然とするとともになんだか納得してしまいました。
続きまして、適応障害を抱えながら生きていく上で、意識していることをまとめていきます。私は適応障害と診断されてから約一年間、精神科医や心理カウンセラーと何度も話し合いを重ね、そして親や旧友や大学時代の友人とも相談してきました。初めて自分と向き合い心のケアをし続けてきました。そこで得た多くの知見をご紹介いたします。
適応障害になってから意識していることや学んだこと
これから紹介する事を顕在意識ではなく潜在意識にはめ込むことができたら、病気の再発防止になるのではないかと思います。私自身、潜在意識にはめ込めむことが出来た項目と顕在意識に留まっている項目がありますが、ご参考になりましたら幸いです。
完璧主義をやめる
何でもなりふり構わず120%の力を出そうとしない
優先順位を決めて取り組み1位のものだけに注力し、それ以外はまぁいいかの精神をもつと良いでしょう。多くのことに手を出しすぎてはいけません。 余裕が出てきたら、少しずつやりたい事からやってみましょう。
なんでも一位を目指そうとしない
どの世界に行っても自分よりスキルが上の人間は必ずいます。自分が精一杯やっていればいいのだと考え、自分のペースを守り自分を見失わないためにも、自分よりスキルが上の人間になんとしても勝とうというマインドは排除すべきだと思います。他人基準で考えるのではなく、自分を基準に据えましょう。
考えすぎない
- 考えても変わらないような事は考え過ぎないようにしましょう
考えても変わらない事とは、
・将来起こるかもしれない自分にとって不利な状況
・過去に起こしてしまった失敗や引きずっているトラウマ
などです。
- 「今」を生きましょう
未来への「配慮」はしてもいいですが、
過度な「心配」はしないことを心がけましょう。
- 失敗してもいいから何でもやってみましょう(まず行動してみることです)
過去の記事になります。
「全てに対して成功しないといけない」という強迫観念は捨てる
- 失敗を恐れないことです(失敗は悪いことではありません)
- 失敗から学ぶことの方が多いし、記憶に残りやすく、その経験をバネにしましょう
- 肩肘を張って無理に成功させようとしないようにしましょう。
失敗を恐れないといってもそれは本能なので難しいと思います。そこで最後に、
- 物事は基本的に、「8割失敗して2割成功する」くらいの感覚を持ちましょう。
この思考を持っていれば、物事が上手く進展しない場面に出会ったとしても、過度に自分を責めて落ち込んだりする機会を少なくすることが出来るのではないでしょうか。
自然体になってみる
- 何でもかんでも計算しようとしないようにしましょう。
直感を信じることも大切です。
- 理性と本能のバランスを大切にし、どちらかに偏らないようにしましょう。
理性ばかり、或いは本能ばかりに行動しているな、思考しているなと感じたら、バランスを意識してみることをオススメします。
- 猫みたいに自然体になってみましょう。
猫などのゆっくり動く動物は個人的にリラックス効果があるように感じます。
- だらしない部分も持っておく(「まあいいか」という言葉を口に出してみる)
- 自分の疲労や精神のピークを知り、やりすぎないようにしましょう。
他人の目を気にしない、他人と比較しない
- 他人の良いところだけを取り入れましょう
言い方は悪いですが、他人を上手に利用しましょう。そして他人のスキルや思考を取り入れるかどうかは自分次第です。
- 自分のライバルは、常に過去の自分であると認識しましょう。
- 自分のペースを知りましょう。そしてそれを第一に守りましょう。
ありのままの自分を受け入れる
- うまくいかないときもあることを認めましょう。
- 適応障害になったことを恥ずかしいとかんがえないようにしましょう。
時間はかかるかもしれませんが、病気になったことは何かしら自分の人生において 意味のある出来事なのだと捉えるとよいです。
少しでも自信をつけるように努力する
自分を褒める
- やったこと、出来たこと、進歩したことを記録しましょう
記録したものを見て「自分はこれだけ進めたんだ」と言い聞かせましょう。
というハッシュタグを付けて、その日にあった良かったこと、ポジティブな出来事などをつぶやくコミュニティがあります。是非参加してみてください。
一応、私のツイートを一部ご紹介します。
・本を購入した
— Akihiro (@Akihiro_O_1995) April 30, 2019
・進路の事を考えた
・amazon prime videoでスパイダーマンを鑑賞することが出来た#みんなdeポジティブ人間化#今日のよかったこと3つ
1,美容院に行った
— Akihiro (@Akihiro_O_1995) April 21, 2019
2,ジムで汗を流した
3,本屋に行った
→充実した日曜日を過ごせた(^^)
#みんなdeポジティブ人間化
・分からないことを分からないと、カッコつけないでありのままの自分を見せることが出来た
— Akihiro (@Akihiro_O_1995) April 18, 2019
・太陽の下で昼ごはんを食べることが出来た
・時間が短い中でタスクをなんとかこなすことが出来た#みんなdeポジティブ人間化#今日のよかったこと3つ
- 自分に定期的に褒美を与えましょう
頑張った日には、自分が好きなことやリラックス出来ることを定期的に行いましょう。
疲労やストレスで自分が潰れないためにも、私も含めて休むことが苦手な人は意識して取り組みたいものです。
成功体験を積む
- 小さな目標を立て、小さな成功体験を積むことに注力しましょう。
- 減点法ではなく加点法の思考を意識しましょう。
自分の人生に責任を持つ
- やらない理由を考える(言い訳)のではなく、どうしたら解決できるかを考えましょう。
- 今ある自分に嫌気が差しても、他人や環境のせいにしないようにしましょう(→思考が停止している証拠です。)
前向きに考える
- 人や物事の良いところを探すようにする(悪いところばかりを探そうとしない)
- 「なんとかなるだろう」と自分に言い聞かせる
- 物事が好調でも過度に思い上がらないこと(調子に乗る癖がある人は注意する)
プライド(過去の成功体験などから発生するもの)を捨てる
- 他人の目を気にするあまり、自分を良く見せようというプライドは要らない
- 肩書を意識しすぎない
- 自分は何でも万能だと思わない
- 自分がどう思われようが気にしない
- シンプルに考える
- 不器用なりに前に進む
- 周りと自分を比較しない
- 恥を捨てる
最後に重要な助言
上述した適応障害の経験から学んだことや意識していること項目を”完璧”にやろうとしない!!!
ということです。
私なりに人生を生きやすくするにはどうすればいいか模索した思考法をいくつかご紹介させて頂きましたが、程々に実行してみましょう。私も含めて、特に完璧主義者の方は、改善しようと考えたことを、”また”、「完璧にやろう」と考えがちです。これは本末転倒で、最悪また振り出しに戻ってしまう(再発)可能性もあると考えております。ご注意ください。
適応障害になってから参考にしている書籍をご紹介!!
主に自己啓発本となります。
学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)
- 作者: 樺沢紫苑
- 出版社/メーカー: サンクチュアリ出版
- 発売日: 2018/08/03
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著者は精神科医の方で、アウトプットすることがどれだけ重要なことかを示した本となります。内容は、勉強や日々の生活の中で実践できる様々なアウトプット法が紹介さてれています。アウトプットの重要性を23歳にもなって初めて気がつかされた非常に印象に残っている一冊です。
- 作者: スペンサージョンソン,Spencer Johnson,門田美鈴
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2000/11/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 11人 クリック: 153回
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『迷路の外には何がある?』 ――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語
- 作者: スペンサー・ジョンソン,門田美鈴
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2019/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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常に変わり続ける現代社会を生き抜く上で参考になる言葉が散りばめられていました。強烈に覚えているのが、「もし恐怖が無ければ、何をするだろう?」*1です。心の奥底に眠る根源的な自分の欲求を引き出してくれる言葉でした。
自己啓発の名著です。
世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
- 作者: 久賀谷亮
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/07/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「マインドフルネス呼吸法」に関して勉強させて頂きました。寝る前に実践しています。約1年続いています。
「他人の目を気にして活きる行為は自分にとっての幸せを獲得することから遠のく行為である」という事をこの本から学びました。
ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略ロードマップ
- 作者: ロバート・スティーヴン・カプラン,福井久美子
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2014/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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自分を知ること(自己分析)が、人生を生きる上でどれほど重要なことかを知るきっかけとなった本です。就活時や転職時、もしくは人生に迷われた時にも有用な本だと思います。 実戦形式の本のため、ドリルのような感覚で取り組みました。
新卒で入社した会社で適応障害を患った経験を持たれている筆者が、適応障害に対する向き合い方や、社会の精神病(又はその患者)への理解に対する問題提議をされているマンガ本です。心理カウンセラーによる適応障害の定義や治療法などが短い文章で解説されています。私も適応障害の当事者の一人ですが、非常にリアリティのあり共感できる部分が多いマンガ本でした。
参考までに、自己啓発本との向き合い方について書いております。よろしければご覧下さい。
最後までお読み頂き有難うございました。
私と同じように、適応障害等の精神疾患を患った経験をお持ちの方や現在患われている方などに向けてこの記事を書かせて頂きました。
ご参考になりましたら幸いです。
*1:人間それぞれ様々な制約を持っており、誰しもが叶えたい夢を持ちそれに努力できるわけではありません。私の解釈では、この本がこの言葉を通して伝えたいことは、「今すぐには実現できそうになくても、心の何処かで自分が根源的・本質的に実現したいことを持ち、制約が取れてチャンスが巡ってきた時にそれに向けて努力することが重要である」と考えました。